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[9] 衝撃

作品を並べていき、しばらくすると、

チーフデザイナーの人の目つきがだんだんと真剣になっていく。

横に座っていたマネージャーも、これまた真剣な顔で私の作品を見ている。

今までは横柄な態度で腕を組み、ふんぞり返っていた2人が前に身を乗り出して、

私のスケッチを見始めた。

これはしめた、と感じた。

何を言われるかわからなかったが、この態度を見るとなかなかいい反応だなと思った。

するとチーフデザイナーが、

『その横に置いてある梱包したものはなんだ!車のデザインモデルじゃないのか!?』

と目をつけた。

ええそうです、と答えると、

『早く見せろ!!』

と急に態度が変わって、急かすではないか。

そこで私がおもむろに梱包材を取り出して、テーブルの上へ日本から持って来た2つのモデルを置いた。

2人とも急に“バンッ!!”と立ち上がり、そのモデルの周囲をぐるぐるとまわりはじめた。

あちこちの角度から、何度も真剣そのものな血相を変えた顔で見ているではないか。

今度は2人が口論、というより喧嘩を始めてしまった。

イタリア語なのでよくわからないが、その雰囲気でだいたいの想像はついた。

ものすごい意見の対立だった。

その時、私は目のやり場に困っていた。

それもそうだろう、目の前で口論している最中、愛想笑いしているわけにもいかないからだ。

しばらくして、

『3分ほど時間をくれないか。この件について2人で相談をしたいんだ。』

と言われ、隣室で3分だけ待ってくれということでその部屋を出された。

イタリアに来る前からYさんが、モデルまで見せたらそうなるだろう、と言っていたが、

本当にそういう結果になったのだ。

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1 comment

    • Sign Up on 2015年12月15日 at 11:18

    Reply

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    He was totally right. This put up actually made my day.
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    Thank you!

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