カテゴリー

[16] ランボルギーニ

ランボルギーニ社に到着すると、ゲートがあり、割と厳しいチェックを受けた。

名前や荷物の内容などを細かにチェックされたのだが、

その間に直接重役が来るはずもなく、案内役の方が現れて本社の中へと通された。

部屋で待たされてしばらくすると、当時営業担当の重役であるスガールチ氏とチーフマネージャーが現れる。

チーフマネージャーの方はドイツ人のような顔立ちで、スガールチ氏とそのチーフマネージャーの2人とも、

1メートル85以上はあろうかという毛むくじゃらの大男だった。

イタリア人はもう少し小さい人が多いはずなのだが、彼らはその枠にはまらない人達だった。

もちろんその本社でも例にもれず、“おい、なんだ!”といわんばかりにドンと座っているわけである。

今回は通訳もいて、コジョラ社長も同伴しているので心強いはずなのだが、内心またかという心境で、

また同じことを言われるんだろうなという感じだった。

今まで、ベルトーネ、コジョラ、イデアという各会社でそれぞれ、私のデザインに感動してもらい、

皆わりととっつきやすい、イタリア人っぽい感じだったのだが、この二人は違った。

無口で全然話そうとしないのだ。

コジョラ社長が事前に話を通してくれているはずで、

だからこそ話が通じてこうして時間をとってもらってるわけではあるが。

まずコジョラ社長が一生懸命説明を始めてくれて、

『じゃあ、見せなさい。』

ということで、おもむろにぽんと2台の1/5モデルを机の上へ置いた。

だが、表情ひとつ変わらない。

すると、このデザインのままだと非常に厳しいであるとか、できないとクレームをつけはじめたのだ。

それを聞いていたコジョラ社長が急に、

『そんなことは言われなくてもわかっている!私がついているだろう!
そんな細かいライトの位置関係であるとか、泥除けの問題、
車高の事などそういうことに関しては私はプロだ!貴方達もわかっているだろう!
この私がついているんだから、そんなことはちゃんとクリアしてやる!!』

と凄い剣幕で啖呵をきったのだ。

私はそれを見て、さすがだなと思った。コジョラはプロ中のプロである、その意見は当然だ。

私のほうはと言えば、いわば原石だ。今まで地球上のどこにも存在しなかったフォルムを産み出した。

それをコジョラは、これはモノになると、一流のプロの目で一瞬のうちに読み取ったわけだ。

かつてコジョラがデザイン会社ギアにいた時のように。

コジョラ社長の啖呵はまだ続く、

『多少の法規上の問題や、その他の問題は自分で解決させる自信がある。
だからそういう細かいクレームはなんとかできる自負があるから問題ないんだ!』

と、しまいには怒りだして、立ち上がって反論したのである。

その熱意は本当にものすごく嬉しかった。

It's only fair to share...Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

コメントを残す

Your email address will not be published.